激動の時代に政界に身をおいた実体験から生まれた名匠の人生賛歌。
ジョージア(グルジア)映画史に残る傑作『青い山-本当らしくない本当の話』の名匠エルダル・シェンゲラヤ監督。『放浪の画家 ピロスマニ』のギオルギ・シェンゲラヤ監督を弟に持ち、多くの人々に尊敬されている85歳の映画界の最長老が、実際に政界に身をおいていた自身の経験をもとに、21年ぶりに完成させた本作。権力社会への痛烈な風刺を、自由な想像力と大らかなユーモアで描いた人生賛歌である。
【STORY】
故郷に残した母のことはすっかり忘れ、政府の要職で大臣の椅子の座り心地を満喫しているギオルギ。妻を早くに亡くし、上の娘とは少し折り合いはわるいが、地位も権力もあり、可愛い一人息子と義理の姉と立派な家に暮らして、順風満帆。ある日出会った元ヴァイオリニストのドナラとの恋まで手に入れた。しかし、嘘と騙し合いと忖度まみれの政界で、ギオルギは大臣をクビに。突然の災難に見舞われたギオルギとその家族は?
『葡萄畑に帰ろう』
(2017年/英題:The Chair/ジョージア(グルジア)/ジョージア語/99分/カラー/DCP)
監督:エルダル・シェンゲラヤ
出演:ニカ・タヴァゼ、ニネリ・チャンクヴェタゼ、ナタリア・ジュゲリ、ズカ・ダルジャニア
配給:クレストインターナショナル、ムヴィオラ