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キューブリックに愛された男

上映中~11月14日(木)

©2016 Kinetica-Lock and Valentine

日時

上映中~11月14日(木)

料金

一般¥1,900/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

スタンリー・キューブリック没後20年特別企画

監督の異常な友情―
またはエミリオは如何にして心配するのを止めて天才を・愛する・ようになったか

天才映画作家との30年の友情の記録。

1942年生まれのイタリア人、エミリオ・ダレッサンドロ。キューブリックとの出会いは唐突だった。1970年の雪の夜、当時ミニキャブの運転手だったエミリオは所属する会社に頼まれ、荒天の中「ある物」の運搬を請け負った。その仕事ぶりを気に入った依頼主はエミリオを自分の専属の運転手として雇いあげることを決める。その依頼主こそがキューブリックだった。車の運転は一流だが、映画のことは何も知らないエミリオと、稀代の映画監督スタンリー・キューブリック。2人の30年にも及ぶ主従関係と友情はこうして始まった。

 本作ではキューブリックの生活信条が作品のそこかしこに現れ、我々を笑いに誘う。たとえば、監督夫妻と3人の娘、さらには愛犬、愛猫などが住む館は映画製作の現場でもあるのだが、そこにはキューブリックの真髄を表す言葉が掲げられていた。【1.ドアを開けたら閉めること、2.明かりをつけたら消すこと、3.錠を開けたら、かけること、4.物を壊したら直すこと、5.自分で直せなければ直せる人を呼ぶこと、6.物を借りたら返すこと、7.物を使うなら大事に扱うこと、8.散らかしたら片づけること、9.動かしたら元の場所へ戻すこと、10.他人の物を使う時は許可を得ること、11.使い方が分からぬ時は手を出さぬこと、12.自分が関与せぬことには干渉しないこと】。監督の完璧主義とともに、粘着性、人間的といっていいのか非人間的といっていいのかわからない論理的な気質も垣間見える。

STORY
エミリオ・ダレッサンドロはイタリア系の移民。元々は才能溢れるレーシング・ドライバーとして、将来を嘱望されていたが、新天地を求め移住したロンドンではレーサーの職は得られず、タクシー運転手として家族と平凡な生活を送っていた。1970年の雪の夜、ホークフィルムという会社からエミリオに奇妙な仕事の依頼が入る。「人ではなく、ある“モノ”を撮影スタジオに運んで欲しい」。悪天候に加え、その物は車に積むには大き過ぎたが、エミリオはなんとか無事にスタジオまで送り届けることが出来た。映画に興味のない彼は、そこで何が行われ、直接の雇い主が誰かなど特に気にはかけなかった。後日、そのホークフィルムから「我が社の代表が挨拶したい」と連絡が入る。それがキューブリックとエミリオの出会いだった。レーサーとしての実績を知っていたキューブリックは「あなたを自分の専属運転手として雇いたい」と申し出てきた。エミリオは快諾し、翌日からアボッツ・ミードにある監督の自宅兼スタジオに通うことになった。30年に渡る2人の奇妙な友情はこうして始まるのだった…。

『キューブリックに愛された男』(原題:S is for Stanley/2016年/イタリア/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch)

監督:アレックス・インファセッリ
主演:エミリオ・ダレッサンドロ