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第三夫人と髪飾り

上映中~12月26日(木)

© copyright Mayfair Pictures.

日時

上映中~12月26日(木)

料金

一般¥1,900/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

ここは、女たちの愛と哀しみが眠る 桃源郷。

スパイク・リー、トラン・アン・ユンなど、世界の巨匠が才能を絶賛する新鋭アッシュ・メイフェア衝撃のデビュー作。

北ベトナム、絹の里の富豪のもとに嫁いできた14 歳の第三夫人。東洋の美を湛えるベトナムの秘境に語り継がれてきた、ある⼀族のファミリーヒストリー。

20 世紀中頃まで⼀夫多妻が続いていた北ベトナムを舞台に、監督自身の曾祖母の体験をもとにしている『第三夫人と髪飾り』は、“14 歳の第三夫人”というショッキングな題材でありながら、父権社会で男児を産むことが女の唯⼀の務めであった時代を生きる女たちの複雑な感情が丁寧に掬い上げられ、胸に迫ってくる感動のドラマだ。

繭の中の蚕のように、生きる場所も役割も最初から定められていた女たち。しかし、才能あふれる⼀人のベトナム人監督が、自身のルーツをたどりながら歴史の闇に消えた彼女たちに命を吹き込んだ。愛、思惑、哀しみ、そしてたどり着く⼀筋の希望――。まるで⼀幅の水彩画に入り込んでしまったかのような世界で語られる⼀族の“ヒストリー”は大河小説さながら に壮麗であり、同時にその甘い官能は私たちを陶酔させてやまない。

スパイク・リーが脚本に惚れ込み、 トラン・アン・ユンが美術監修をつとめた衝撃のデビュー作。

初の長編監督作とは思えない堂々たる演出手腕を⾒せたアッシュ・メイフェア監督は14 歳までベトナムで育ち、以降欧米で教育を受け、スパイク・リー監督が教鞭をとるニューヨーク大学(NYU)で映画製作を学んだ。自身のファミリーヒストリーとも呼べる脚本はスパイク・リーから激賞され、2014 年度のNYU 脚本プロジェクトのファンドを勝ち取った。撮影のため故郷のベトナムへ戻ったメイフェアは⾃らロケーションを探し、さらに数ヶ月間スタッフと共に実際に19 世紀の暮らしをするなど徹底したこだわりで、実に5 年の歳月をかけ2018 年ついに本作を完成させた。その年のトロント国際映画祭ディスカバリー部門でプレミア上映され、NETPAC 賞(最優秀アジア映画賞)を受賞、シカゴ国際映画祭新人監督部門ゴールド・ヒューゴ賞(最優秀作品賞)等、多くの賞に輝いている。また、『青いパパイヤの香り』『夏至』でベトナムの魅力を世界に広めたトラン・アン・ユンが美術監修を務め、洗練された空間づくりに貢献している。

ベトナムの世界遺産を舞台に、東洋の美たちがスクリーンを彩る。

舞台となる地は、2014 年に世界遺産として登録され、世界中から観光客が訪れるベトナムの秘境ニンビン省チャンアン。輝く竹の翠、ランタンに灯る光、石を打つ雨だれの滴、女たちの纏うアオザイの色彩・・・、スクリーンには壮大な自然を背景に東洋の美が映し出されていく。初夜の儀、甘美な秘めごと、禁断の愛など、エロティックな描写さえも絵画的な美しさを湛え、観る者を陶然とさせる。隅々まで美で尽くされた桃源郷のような世界だ。

その世界で生きる女たちもまた、多様な美しさを持ち存在感を放っている。第⼀夫人のハにはトラン・アン・ユン監督作の常連で、妻でもあるトラン・ヌー・イエン・ケー。たおやかながら芯の強さを見せる、抑えた演技が光る。第二夫人スアン役のマイ・トゥー・フオは、モデル出身で歌手としても活躍しており、冒頭の宴のシーンではその魅惑的な歌声を披露。そして第三夫人メイには映画初出演となるグエン・フオン・チャー・ミー。難しい役どころながら、メイの心の機微を見事に体現し圧倒的だ。また使用人のラオには『シクロ』『夏至』で知られる名バイプレーヤー、グエン・ニュー・クインが扮し、夫人たちを支えている。

【STORY】

19世紀の北ベトナム。奇岩が連なる断崖絶壁の山々に囲まれた深い渓谷を流れる川を、メイ(グエン・フオン・チャー・ミー)は花があしらわれた舟で上ってくる。絹の里であるこの地を治める大地主(レ・ヴー・ロン)のもとに、14歳で嫁いできたのだ。一族が暮らす大邸宅には、一人息子を産んだ第一夫人のハ(トラン・ヌー・イエン・ケー)、3人の娘を持つ第二夫人のスアン(マイ・トゥー・フオン)がおり、メイは三番目の妻となる。一族にはすでに第一夫人の息子ソン(グエン・タイン・タム)がいたが、若き第三夫人にはさらなる世継ぎの誕生が期待されていた。まだ無邪気さの残るメイは、2人の夫人に見守られながら穏やかな毎日を送っていた。しかし次第に、ここでは世継ぎとなる男児を産んでこそ“奥様”と呼ばれることを知る。ほどなくしてメイは妊娠。出産に向けて四季が巡る中、第一夫人も妊娠していることが発覚。時を同じくしてメイは、第二夫人のある秘密を知ってしまう。

『第三夫人と髪飾り』(2018年/ベトナム/93分/DCP/カラー/1:1.5/原題︓Vợ Ba/英題︓The Third Wife/R15+)
監督・脚本:アッシュ・メイフェア
出演:トラン・ヌー・イエン・ケー、マイ・トゥー・フオン、グエン・フオン・チャー・ミー、グエン・ニュー・クイン、レ・ヴー・ロン
製作:チャン・ティ・ビック・ゴック、アッシュ・メイフェア
字幕翻訳:原田りえ
配給:クレストインターナショナル