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【見逃した映画特集2019】帰れない二人

上映中~1月16日(木)

©2018 Xstream Pictures (Beijing) - MK Productions - ARTE France All rights reserved

日時

上映中~1月16日(木)

料金

【特別料金】一般¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000

詳細 DETAIL

移ろいゆく景色、街、心。それでも、愛し続ける。
総移動距離7,700km! 現代中国を背景に描き出す、17年におよぶ愛の物語。

ジャ・ジャンクー監督の人生を映し出した集大成。

中国・山西省の中規模都市・大同(ダートン)。チャオの恋人はヤクザ者のビン。2001年の中国は北京五輪の開催決定など、にわかに活気づいていたが、この大同で、不動産業者の地上げを手伝うなど、仁義の世界に生きる二人は彼女らなりの幸せを求めていた。ある日、ビンは路上でチンピラに殺されかけるが、チャオが発砲し一命をとりとめる。5年後、出所したチャオは三峡ダムによって失われる街・奉節(フォンジェ)へビンを訪ねるが、彼にはすでに新たな恋人がいた。時間は残酷だ。チャオは世界で最も内地にある大都市・新疆(シンジャン)ウイグル自治区のウルムチを目指す。そして2017年がやってくる──。
2001年の大同に始まり、2006年の三峡ダム完成間近の長江中流域の古都・奉節、新疆ウイグル自治区、そしてまた大同へ。北京五輪決定と開催、WTO加盟、西部大開発、エネルギーの変移、三峡ダム完成、四川大地震、上海万博、冬季北京五輪の決定……17年の間に21世紀中国が経験した歴史とともに、総移動距離7,700kmに及ぶチャオとビンの旅路が描かれる。

31歳の若さで初めてカンヌのコンペに選出された『青の稲妻』(02)。ヴェネチアでサプライズ上映され、金獅子賞(グランプリ)に輝いた『長江哀歌(エレジー)』(06)。ターニングポイントとなった2作を踏襲しつつ進化させた『帰れない二人』は、ジャ・ジャンクーの5作品目となるカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作。本作の出品をもって、中国人監督のカンヌコンペ出品数最多を誇るチェン・カイコー監督と並んだ。カンヌでの公式上映には世界中から有名俳優・有名モデルが駆けつけ、「皮肉と華麗さを兼ね備えたロマンチックなフィルム・ノワール。ジャ・ジャンクーは中国の偉大な映画作家だ」とテレラマ誌は本作を絶賛、ル・モンド紙、ポジティフ誌が最高点をつけた。本年3月にはアメリカでも公開され、映画評論サイトRotten Tomatoesで98%支持(2019/5/24現在)と高い評価を得ている。「私が歩んできた48年間の人生を使って、歴史的にも激動の変化を経験した現代中国を舞台にラブストーリーを描きたいと思った」と語るジャ・ジャンクーの想いが世界に届いたのだ。

STORY

2001年、山西省・大同(ダートン)。

チャオの恋人はヤクザ者のビン。
地上げの片棒を担いだり、雀荘などの遊戯場を仕切ったりする毎日。
ビンは仲間内からも一目置かれ、兄貴的な存在。
この仁義の世界で、義侠心を重んじながら、のし上がろうとしている男。
でも、チャオはもっとささやかなビンとの幸せを夢に描いていた。

チャオの父は炭鉱作業員だが、石炭価格の暴落で仕事がない。
「鉱山局は新疆(シンジャン)に移転するらしい。石油を掘れってことだ」。
炭鉱の街だらけの山西省は無職の者が増えてゆく。

「お前すごいんだろ! 冠くれてやるよ!」
ある夜、二人の乗った車がチンピラに囲まれ、ビンは暴漢たちに襲われる。
拳銃を持って車を出るチャオ。空に向かって威嚇射撃。
響き渡る銃声に若い暴漢たちは動きを止めた――。

『帰れない二人』(2018年/135分/中国=フランス/原題:江湖儿女/英題:Ash is Purest White)
監督・脚本:ジャ・ジャンクー(『罪の手ざわり』『山河ノスタルジア』)
撮影:エリック・ゴーティエ 
音楽:リン・チャン
出演:チャオ・タオ、リャオ・ファン
提供:ビターズ・エンド、朝日新聞社  
配給:ビターズ・エンド