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ココ・シャネル 時代と闘った女

上映中~10月21日(木)

© Slow Production-ARTE France

日時

上映中~10月21日(木)

料金

【特別料金】一般¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,100/UPLINKユース会員¥1,000

詳細 DETAIL

没後50年、そしてNo.5誕生100年記念公開

最もエレガントで 最も手ごわく
最も寛大で 最も執念深い
最も象徴的で 最も謎めいている
そして誰よりも未来を見ていた

その死に至るまで、自由で自立した女性を先導し鼓舞し続けた
世紀の女ココ・シャネル

21世紀をも照射する、その大いなる光、そして影・・・

2021年はココ・シャネル没後50年、そして世界で最も売れた香水「No.5」誕生100年にあたる。まさに世紀を生き抜いた最強ブランドCHANEL。
第一次世界大戦後、「皆殺しの天使」と称されるほど19世紀的な価値観を葬り去り女性を因習から解放して、女性として史上初の世界的実業家となったシャネル。
ピカソ、ストラヴィンスキー、ディアギレフ、コクトーなどの芸術家、チャーチルやウィンザー公などの政治家や王侯貴族との交流、めくるめく幾多の恋を通じて得たインスピレーションと人脈を駆使し、第二次世界大戦前すでに一大モード帝国を築き上げた。

ところが、ナチスドイツによるパリの占領が解けた1944年、彼女は突如としてパリを脱出しスイスへ向かう。以後、齢70歳にして劇的な復活を遂げる1957年まで、10年あまりもの長きにわたり沈黙する。なぜ?
シャネル自身により、また評伝や映画などで虚実ないまぜのさまざまな物語が語られてきたが、それらのほとんどは、沈黙の謎が確証を持って暴かれた2011年以前のものだ。本作は、実証を踏まえた上で、毀誉褒貶の激しい多面的で孤独な、しかしなんとも魅力的でスケールの大きいシャネルの生涯と実像に迫った最新ドキュメンタリー。

ココ・シャネル本人、ジャン・コクトーやフランソワーズ・サガン、シャネルの評伝を書いたエドモンド・シャルル=ルー、ポール・モラン、マルセル・へードリッヒ、そしてシャネルの下で働いた職人などの証言、若いころのシャネルを知る女優ガブリエル・ドルヴァ、シャネルスーツ姿のロミー・シュナイダーやジャクリーン・ケネディ、そしてサルバドール・ダリ、アラン・ドロン、ウィンザー公や晩年親しくしたダンサーのジャック・シャゾ…多数の関係者とともに19世紀末から2度の大戦をはさんで1970年に至る、パリやリゾート地の風俗やニュース映像も駆使。ナレーションはランベール・ウィルソン。

パリ、カンボン通りに帽子店を開業してから110年余りの歴史を刻むファッション界最強のブランドCHANEL。創業者であるココ・シャネル1883年の誕生から1971年の死まで、87年間の壮絶で稀有な人生を60分足らずに圧縮した最新ドキュメンタリー。
その人生は19世紀末から2つの世界大戦をはさみ、世界が様変わりした20世紀の激動そのものを体現している。アンドレ・マルローは、20世紀フランスで歴史に残る人物の名は3つ、ピカソ、ドゴール、シャネルと述べたが、まさに彼女は世紀の主人公の一人であった。
フランスの南西部オーヴェルニュの救済院で生まれた貧しい娘が、空前のモード帝国を興し、世界一富裕な女性とまで言われる存在になり、その文化的・社会的革命は、圧倒的な影響を今に及ぼしている。コルセットに代表される19世紀的な因習を捨て去り、帽子の羽飾りを抜き、ショートヘアで日焼けした肌の、自らの力で自由に羽ばたこうとする女性のスタイルを先導し応援した。ジャージー素材、マリンルック、ツイード、リトルブラックドレス、コスチュームジュエリー、それらは美と富の相関関係を断ち切り、美と実用を結びつけた。「狂乱の時代」1920年代の寵児であり、第2次世界大戦前までに従業員4,000人を抱える事業主となっていた。

ロシア革命を逃れてきたディアギレフを支援し、ストラヴィンスキー、ラヴェル、ピカソ、コクトーら20世紀芸術の牽引者たちのいわばインキュベーター的な役割も果たしている。また、ウィンザー公(エドワード8世)、チャーチル、欧州一の金持ちウエストミンスター公、そして生涯で最も愛した男性といわれるアーサー・カペルといった英国の王侯貴族や上流階級と恋愛でも仕事でも対等に渡り合った。
ところが1939年パリにナチスが迫ってくると、突如として従業員を解雇しメゾンを閉じる。しかしナチスによる占領が落ち着くとパリに戻り、ナチスが接収していた最高級ホテル、リッツでの生活を再開する。ところが1944年連合軍によりパリが解放されると、シャネルは大急ぎでパリを脱出、スイスへ亡命する。それから1954年の劇的な復活までの10年余りローザンヌで沈黙を貫いた。
大戦中、シャネルがディンクラーゲというナチスの大物スパイと親密であったことは知られていたが、近年様々な公文書が開示されたことで、その謎と行動が明らかになりつつある。本作はその最新の実証成果を踏まえ、なお揺るぎない革命の成果と、生涯にわたる闘いの人生を、多種多様な映像とシャネル本人、コクトーやサガンらの証言を交えて描きだしている。

『ココ・シャネル 時代と闘った女』(2019年/フランス/55分)
監督・脚本:ジャン・ロリターノ
出演:ココ・シャネル、フランソワーズ・サガン他
ナレーション:ランベール・ウィルソン
字幕:松岡葉子
原題:Les Guerres de Coco Chanel
配給:オンリー・ハーツ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本