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サウダーヂ デジタルリマスター版

上映中~12月16日(木)

©2021 kuzoku

日時

上映中~12月16日(木)

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

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詳細 DETAIL

第33回ナント三大陸映画祭グランプリ<金の気球賞>
第66回毎日映画コンクール<日本映画優秀賞&監督賞>
<第26回 高崎映画祭 最優秀作品賞>
「キネマ旬報」2011年日本映画年間ベストテン6位

2011年に35ミリフィルムで公開された
空族制作・富田克也監督による『サウダーヂ』
公開10周年を記念してデジタルリマスター版にて上映!

土方・移民・ヒップホップ

2011年に公開した『サウダーヂ』は山梨県甲府市を舞台に、北京オリンピック、リーマンショック後の大不況で行き場を失った日系ブラジル人たち、出稼ぎに来たタイ人、そして国籍の選択をせまられているその子供たちとの出会いから着想を得、疲弊しきった地方都市を描くことになった作品である。そして、、、あれから一体何が変わったのだろうか?精司がバブル時代を幻視し猛がラップしながら歩いた、あのアーケード街のシャッターは今も閉まったままでいる。ポルトガル語の「サウダーヂ」という言葉には失われたものへの郷愁とともに未来への祈りが込められているという。『サウダーヂ』を公開したその年、福島で人災としては最悪の核爆発が起こり、わたしたちはもう二度と後戻りできなくなってしまった。

あれから10年―。“災害と疫病と分断”のこの時代に『サウダーヂ』は新たな意味を持ち始めている。

監督、富田克也は当時トラック運転手をしながら、相澤虎之助ら仲間と共に、映像制作集団「空族」を勝手に名乗り、1年半の歳月をかけて自主制作でこの映画を作り上げた。2011年に公開されると、ナント三大陸映画祭グランプリ、ロカルノ国際映画祭独立批評家連盟特別賞を受賞。国内でも幾多の賞を獲得し、その年のキネマ旬報ベスト・テンでも6位に輝いた、まさに日本映画界に大旋風を巻き起こしたのが本作だ。当時は、映画館もデジタル化の流れが推し進められていた時期に、あえて35mmフィルムでの上映を敢行するという暴挙も話題となった。

主演のひとり、猛を演じたのは、山梨のヒップホップクルーsitllichimiyaのラッパー田我流。本作公開後に発表された「B級映画のように2」(12年)が発表されると、一躍、日本のヒップホップ界を牽引するラッパーとしてその名を広めた。シャッター街で、この国の腐りきった現状をフリースタイルでラップする姿は、映画史に残るシーンとして今も名高い。
空族はその後もタイ・ラオスオールロケ『バンコクナイツ』(16年)、仏教をテーマに据えた『典座 -TENZO-』(19年)と変わらず規格外の作品を制作し続けている。そして、来るべき『サウダーヂ』の続編的な作品も現在、山梨で釣りをしながら構想中だという。今後の空族の動向を待ちつつ、10年後の『サウダーヂ』をデジタルリマスター版で是非、お楽しみ頂きたい。

【STORY】

10年後も言おう―政治家が一番のギャングスターじゃねえかよ!!!

山梨県・甲府。人通りもまばらな中心街、シャッター通り。HIPHOPグループ「アーミービレッジ」のクルー・猛は“派遣”で土方として働き始める。そこで、土方ひとすじに生きて来た精司や、同じく派遣されてきた、タイ帰りだという保坂に出会う。タイパブに連れて行かれ盛り上がる精司や保坂に違和感を覚え、やがて外国人を敵視するようになる猛はある行動に出る…

『サウダーヂ デジタルリマスター版』(2021年、日本、167分、5.1ch、35mm→DCP)
監督:富田克也
出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾﨑愛、工藤千枝、デニス・オリヴェイラ・デ・ハマツ、イエダ・デ・アルメイダ・ハマツ、野口雄介、村田進二、亜矢乃、熊田ちか、中島朋人(鉄割アルバトロスケット)
配給:空族