トークショー開催決定!
11月15日(土) 13:30の回上映終了後
登壇者:小松健一(写真家)
※敬称略
※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
トークテーマ:1989年、国民投票で民主主義を取り戻したチリの当時を語る
1973年にアジェンデ政権を制圧し、17年に及び続いたピノチェト軍事独裁政権。1989年はピノチェト政権が国民投票により否決され、民政移管への契機となった記念すべき年である。そんな民主主義勝利の瞬間に立ち会い、チリを縦断した写真家である小松健一氏が、当時のチリの様子を語る。
小松健一(写真家)
1953年、岡山生まれ、群馬に育つ。新聞記者などを経てフリーの写真家へ。世界の厳しい風土の中で自然と共生する民族がライフワーク。また、日本の近現代の文学、作家の原風景を切り口に日本人の暮らしと風土、沖縄、環境、基地問題などを追い続ける。日本写真協会賞年度賞、飯田市藤本四八写真文化賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞受賞など。
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1度失われかけた幻の記録が奇跡的に蘇る。
1970年、南米チリで史上初めて選挙で選ばれた社会主義大統領サルバドール・アジェンデが誕生し、国家規模の社会変革が始まった。本作は、その政権発足から1年間にわたる激動のプロセスを記録したものである。資本家に搾取されてきた労働者や、土地を取り戻すために立ち上がった先住民、そして新たな未来に胸を躍らせる若者たちを追い、彼らの真っ直ぐな言葉と表情を丹念に記録。土地改革や産業の国有化、社会の変革に沸く市民たちの姿、そしてキューバを率いた社会主義指導者であるフィデル・カストロのチリ訪問の様子が、希望とエネルギーに満ちた映像で描かれる。
本作は、グスマン監督の記念すべき長編デビュー作であり、後の『チリの闘い』3部作や『光のノスタルジア』など、世界的に高く評価される作品群の原点である。
しかし、1973年にチリで起きた、サルバドール・アジェンデ政権を崩壊させた軍事クーデター後に多くのプリントが失われ、長きにわたって封印されていた。半世紀に及ぶグスマン監督監修下の修復作業の末、ついに再び息が吹き込まれた。映像作家のジョナス・メカスが設立者の一人であるニューヨークのアンソロジー・フィルム・アーカイヴズで、2Kレストア版が2023年9月に世界初上映された。
クーデターに燃やされた幻の一作が、日本でも遂に初公開となる。
『最初の年:民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権』 El primer año/The first year
(1972年/チリ/96分/フランス語・スペイン語/5.1ch/1:1.85)
監督・脚本:パトリシオ・グスマン
プロデューサー:マリア・テレサ・グスマン
日本語字幕:比嘉世津子
配給・宣伝:アップリンク