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13回の新月のある年に

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料金

一般¥1,800/ユース(22歳以下)¥1,500/シニア¥1,100/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000(土日祝¥1,300/ユース(22歳以下)会員はいつでも¥1,000)

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トークショー開催!

2月10日(日)登壇者:柳下毅一郎(特殊翻訳家)


何よりも真に愛する人に捧ぐ―、たぶん?
鬼才ファスビンダーの核心をなす重要作!

魂の破滅へ―。
13回の新月のある年に7年おきに来る「月の年」に、新月が13回巡る年が重なると、なす術もなく破滅する者が幾人も現れる―。
エルヴィラは男性から女性へと性転換をした。男装して街を彷徨い、男娼を求めるエルヴィラの「性」。愛への憧憬と不安。孤独。パートナーとの別れ、離別した妻子との対話、幼少期を過ごした修道院のシスターが語る出生の秘密、性転換手術を促した男アントン・ザイツとの再会…、エルヴィラの最期の5日間。
原案・製作・脚本・監督・撮影・美術・編集をファスビンダー自身が手掛けた、自主製作作品。様々なイメージがセンセーショナルに提示される、ファスビンダー最大の問題作。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの作品には必ず同性愛的要素が含まれるが、いわゆるLGBTが主人公となる作品は意外に数少ない。女性同性愛を扱った『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』、男性同性愛者たちを主人公とした『自由の代償』と『ケレル』があるだけで、そこに加わるのが男性から女性へのトランスセクシュアルを主人公とした『13回の新月のある年に』である。ただしこの作品はいくつかの意味でファスビンダーとして異例の作品である。初公開当時の映画評ではファスビンダーならではの性的少数者をめぐる物語と評された以上にはほとんど言及されず、つまり性的少数者というレッテルはむしろ映画の理解を妨げる結果を招いたとすらいえる。またこの映画製作の背景には当時彼の伴侶だったアルミン・マイヤーの自死というスキャンダラスな要因があったことも影響し、ファスビンダーにおいてあまりに個人的かつ例外的作品として評価を躊躇わせることにもなった。だがファスビンダーの生涯と全作品を概観できる現代においてこの映画の位置づけを考えた時、やはりファスビンダーにとって一つの核心をなす重要な一作であることは疑いない。
テキスト:渋谷哲也(ドイツ映画研究)

『13回の新月のある年に』(1978年/西ドイツ/124分/ビスタ/DCP)
製作・監督・脚本・撮影:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
編集:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、ユリアーネ・ローレンツ
美術:カール・シャイト、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
出演:フォルカー・シュペングラー、イングリット・カーフェン、ゴットフリート・ヨーンほか
日本語字幕:渋谷哲也
配給:株式会社アイ・ヴィー・シー/配給協力:ノーム
宣伝:スリーピン