4/30(火)登壇者:友田美由紀(篆刻家)、大谷寿一(本作監督)
5/1(水)登壇者:伊藤英明 (星野道夫「オーロラクラブ」幹事)、大谷寿一(本作監督)
5/2(木)登壇者:梅野泉(吟遊詩人・翻訳家)、石井ミヤコ (伴奏:シンキングボウル)、大谷寿一(本作監督)
標高4,300mの草原で、独特の帽子とチベット服の若き語り部が驚く早さ、叩き込む口調、声調豊かに自在に「ケサル」を語り、謡いました。美しく揺さぶられました。彼はもともと文盲の牧童です。夢の中に現れた山神に「ケサルを語れ」と言われ、目が覚めたら物語をおのずと語り出したといいます。今。ケサルの語りは中国語が浸透したチベットの若い人には理解できず、また、ケサルのお告げは環境が破壊され、“降りて来なくなった”といいます。千年続いた、大地に根ざした、世界でも稀な語り部文化は彼で終わるのでしょうか。“生きている”文化、言葉が消える時、民族のアイデンティティーは亡くなります。語り部の将来とチベットの運命が気になります。
「ケサル大王伝はチベット語圏の何世代にわたって希望と忍耐の精神を与えて来た」
(ダライ・ラマ14世)
「語り部はまさに地球の最も崇高な土地に生き続けるチベットの信仰と歴史と文化と生活を内蔵した活ける博物館である。さまざまなタイプの語り部に取材した本作は隅々にまで説得力に満ちている。監督渾身のドキュメンタリーである」
(明窓会主筆:根岸 弘)
『チベット ケサル大王伝 最後の語り部たち』
(2018年/日本/90分)
監督・撮影・構成・編集:大谷寿一
ナレーション:遠藤純平
選曲:杉原葉子
翻訳協力:ロディギャツオ
音楽:杉山洋一作曲「馬」~チベット民謡による~ヴァイオリン演奏:林原澄音
テンジンクンサン作曲、歌、演奏「遊牧民の歌」
タイトル文字:友田美由紀
原画:服部憲明
デザイン:藤井正明
© 「ケサル大王」 制作委員会 配給協力:パンドラ 本編:約90 分