上映 MOVIES

SUB MENU

生きちゃった 

不定期上映中〜12月23日(水)

日時

不定期上映中〜12月23日(水)

料金

一般¥1,900/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳) ¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

心を、本音を、押し殺して生きている。
「愛」を言えない男。「愛」を聞きたい女。「愛」を見守る男。
観る者すべての魂を激しく震わせる。

石井裕也監督(『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』)渾身の
オリジナル最新作にして原点回帰—愛と衝動と魂だけで映画を作る

若くして日本映画界を牽引する石井裕也監督の待望の最新作が、観る者すべての魂を激しく震わせる。商業映画デビュー作『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞。『舟を編む』では第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞はじめ6部門制覇、そして第86回アカデミー賞外国語映画部門の日本代表作品にやはり史上最年少で選出。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』では第91回キネマ旬報ベスト・テン第1位など、数多くの映画賞を席巻。他にも『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』『町田くんの世界』といった多彩な作品群を手掛け、国内外で突出した評価を得る。

こういった華麗な経歴も、『生きちゃった』の前では不要かもしれない。石井裕也は新たな場所に飛んだ。今回は自らプロデューサーも兼ね、瑞々しい初期衝動が全力で爆発する。“再デビュー作”とでも呼ぶにふさわしい勇猛果敢な挑戦だ。


忖度も制約もなし、完全なる自由の中で作った映画。

そもそも本作は企画の成り立ちから日本映画の枠組みを超えたものだ。2019年6月、上海国際映画祭にて「B2B(Back to Basics)A Love Supreme」=「原点回帰、至上の愛」というまったく新しい試みのプロジェクトが発表された。香港国際映画祭(HKIFFS)と中国のHeaven Picturesが共同出資し、各映画製作者に同じ予算が割り当てられ、「至上の愛」をテーマに映画製作の「原点回帰」を探求するというコンセプトのもと、アジアの名だたる監督たちが各々映画作りを行う。
この斬新かつ先鋭的な映画制作プロジェクトに参加した監督は計6名。台湾の名匠ツァイ・ミンリャン監督(『愛情萬歳』『河』『西瓜』『楽日』)、韓国系中国人のチャン・リュル監督(『キムチを売る女』)、中国のヤン・ジン監督『ホメられないかも』)、マレーシアのタン・チュイムイ監督(『Love Conquers All』)、香港のフィリップ・ユン監督(『九龍猟奇殺人事件』)、そして日本の石井裕也監督。

こうして生誕した映画『生きちゃった』は「All the Things We Never Said」という英語タイトルで、中国及び香港、台湾、マカオなど、世界各国の劇場で公開予定。アジアや海外、グローバル化する世界の中で日本や日本人を見据え、石井裕也は自分たちにしか描けない人間賛歌をスタッフ&キャストと共に目指した。こうして紡がれた破格のエモーショナルな熱量が、衝撃のラストで最高潮に達する。

キャストには「本気」で戦う覚悟を持つ俳優だけが集まった。
石井監督いわく「信頼できる仲間」のみ。

主演の厚久役を務めるのは、仲野太賀。映画、舞台、テレビドラマなど出演オファーが相次ぎ、インディペンデントから大作にまで幅広く出演する現在最も引っ張りだこの役者。彼にとって石井裕也という監督は特別な存在だという。今回は『町田くんの世界』に続いての石井組。ある種、日本人の在り方を象徴する慎ましく不器用な夫にして、父親にして、息子でもある寡黙で純粋な男を演じ切った。その余りに純度の高い芝居は石井ワールドと独自の化学反応を起こし、これまで誰も見ることのなかった仲野太賀がスクリーンを埋める。自身も「生涯大切にしたい作品」とのコメントを出すほど、本作への想いは熱い。
共演の妻・奈津美役には、大島優子。ご存じ元AKB48のトップアイドルにして、いまや連続テレビ小説『スカーレット』など最もその実力に期待が掛かる女優。今回は苦界を彷徨うヒロインの色香と情念、殺気、母としての強さなど、女性の宿業のすべてを芝居に凝縮するような凄みを見せる。鋭敏な感性と骨太な佇まいで臨んだ初の石井組。これは体当たりを超え、監督と女優の斬り合いを思わせる壮絶さだ。彼女自身も初めての経験だったというほど“裸”に剥かれた演技の生々しい迫真性には、誰もが圧倒されるに違いない。
そして親友・武田役には、若葉竜也。唯一無二の存在感と比類なき演技力。『葛城事件』や『愛がなんだ』などで注目を集め、いま映画人から最も信頼される若き名優。仲野とは2017年の『南瓜とマヨネーズ』以来の共演となる。大島と同じく初めての石井組となった今回は、監督から「果たし状」をもらった気分だったと語る彼。厚久の共鳴者として苦悩や絶望に寄り添い、“受け”に徹しながらも、親友の胸の内に溜まった感情をぐいっと引き出そうとする。この難しい役を驚くべき繊細さと聡明さで演じ、作品の要としての重要な役割を果たした。

この三人をめぐり、毎熊克哉、嶋田久作、伊佐山ひろ子、原日出子らの実力派が脇を固める。また石井監督の盟友にして韓国の俊英監督、パク・ジョンボムが厚久の兄を演じるなど、国際的で多彩なキャストにも注目だ。


【STORY】
自分の気持ちを素直に余すことなく
愛する人に伝えることができたら・・・。

幼馴染の厚久と武田。そして奈津美。学生時代から3人はいつも一緒に過ごしてきた。そして、ふたりの男はひとりの女性を愛した。30歳になった今、厚久と奈津美は結婚し、5歳の娘がいる。ささやかな暮らし、それなりの生活。だがある日、厚久が会社を早退して家に帰ると、奈津美が見知らぬ男と肌を重ねていた。その日を境に厚久と奈津美、武田の歪んでいた関係が動き出す。そして待ち構えていたのは壮絶な運命だった。

『生きちゃった』(2020年製作/91分/R15+/日本/英題:All the Things We Never Said)
監督・脚本・プロデューサー:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也、パク・ジョンボム、毎熊克哉、太田結乃、柳生みゆ、レ・ロマネスク、芹澤興人、北村有起哉、原日出子、鶴見辰吾、伊佐山ひろ子、嶋田久作
主題歌:「夏の花」(作詞・作曲:河野丈洋 歌:仲野太賀、若葉竜也)
共同プロデューサー:永井拓郎、北島直明(日本テレビ)
ラインプロデューサー:榊田茂樹
撮影:加藤哲宏
照明:上嶋ゆきお
録音:小松将人
美術:高橋努
装飾:池田亮平
音楽:河野丈洋
助監督:石井純
ヘアメイク:須賀元子
衣装:立花文乃
編集:普嶋信一
効果:柴崎憲治
キャスティング:おおずさわこ
制作:RIKIプロジェクト、ビッグアーチ
宣伝:FINOR
配給:フィルムランド