日時
上映中~10月13日(木)
料金
一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000
上映中~10月13日(木)
一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,200/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000
監督デビュー以来一貫してオリジナル作品を撮り続けてきたモレッティ初の原作の映画化。イスラエルの作家エシュコル・ネヴォの原作の舞台をテルアビブからローマに移し、3つの独立した物語を5年後10年後と時間を軸に再構成した。1973年のデビューから常に変化を続け、50年近いキャリアが生み出す卓越した演出力に息をのむ。
監督賞を受賞した1994年の『親愛なる日記』(1993)以降7本連続でカンヌ国際映画祭のコンペティションで正式上映、2001年には『息子の部屋』でパルム・ドールを受賞。1981年には『監督ミケーレの黄金の夢』(1981)でヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞、1986年には『ジュリオの当とまどい惑』(1985)でベルリン国際映画祭審査員特別賞を受賞し、3大映画祭を制した文字通りイタリアを代表する映画監督の一人だ。
本作では「孤独」という問題を描いてみせる。自分の中に閉じこもり、外部との接触を断つことで深刻化していく問題だ。英国で孤独問題担当国務大臣が誕生し、日本でも孤独・孤立対策担当室が設置されるなどコミュニティの不在、分断、排斥が浮き彫りになっている。そして、監督は“人生はいつでも何度でもやり直せる可能性がある”ことを観客に提示する。主人公たちが人生の扉を開けた時、部屋に新しい風が吹いたように、外に出て人と交わることで思いもよらなかった何かに出会う予兆を感じさせる。責任、価値観がもたらした恐れ、疑い、孤独から自由になる〈解放〉を象徴するかのようにミロンガが効果的に使われる。
ローマの高級住宅街の同じアパートに住む3つの家族。顔見知り程度の隣人の扉の向こう側の顔を誰も知らない。ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住むヴィットリオとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアだった。同じ夜2階のモニカは陣痛が始まり、夫が長期出張中のためたった一人で病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョとサラの夫婦は、娘を朝まで向かいの老夫婦に預けた。後日、ルーチョはジムに行くために軽率にも認知症が疑われる隣りの夫に娘を預け、二人は一時行方不明になる。ルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める。同時に自責の念におし潰され極端な行動に出てしまう。5年後、出所した3階の息子は家には戻らず、ドーラは夫に自分か息子かの選択を迫られる。2階の夫は変わらず出張続きで、義兄が起こした詐欺事件が世間を騒がせる。夫は頑なに兄を遠ざけるがモニカはその理由を知らない。ルーチョは疑念のせいで妻との間に溝ができ家を離れたが、いまだに疑惑を抱えたままだ。10年後、住人たちは自らの選択の結果に苦しめながら現実と向き合っている。彼らの未来の扉を開く鍵は何なのか?
「この作品は、同じ建物に暮らす3つの家族の物語です。登場人物たちは脆く、恐怖や強迫観念に駆られ、時に極端な行動をとってしまいます。選択と行動が、自分の人生や大切な人たちにどのように影響するかを描いています。私たちがいかに孤立した生活を送り、コミュニティから自分を疎外するようになってしまったのか―この映画は私たちを外の世界へと心を開くように誘っているのです」
『3つの鍵』(2021年/119分/イタリア・フランス映画/原題:Tre piani/スコープサイズ)
監督・脚本:ナンニ・モレッティ『息子の部屋』『ローマ法王の休日』
出演:マルゲリータ・ブイ『ローマ法王の休日』、リッカルド・スカマルチョ『あしたのパスタはアルデンテ』、アルバ・ロルヴァケル『幸福なラザロ』、ナンニ・モレッティ
配給:チャイルド・フィルム