9月30日(金) 11:10の回上映後
オンライントーク:安孫子亘監督
10月1日(土)16:15の回上映後
登壇者:山本東(俳優・本作語り)、DAIJI(本作音楽プロデューサー) *ミニライブあり
10月2日(日)14:00の回上映後
オンライントーク:星賢孝(写真家・本作出演)、安孫子亘監督
10月9日(日)15:05の回上映後
登壇者:大竹恵子(色鉛筆作家・本作出演)、大藪琢也(奥会津写真家集団「写好景嶺(しゃすけね)」副代表・本作出演)
2011年7月、あの東日本大震災3.11からわずか4か月後―。
原発事故の傷跡に追い撃ちをかけるように福島県と新潟県に襲った集中豪雨は、両県を繋ぐJR只見線の鉄橋を押し流し、会津川口駅〜只見駅間が長く不通となる甚大な被害を引き起こした。復旧工事にかかる膨大な費用やその後の赤字解消への不安もあり、廃線の危機に晒された只見線。高齢化、過疎化が進む沿線の奥会津においてこのローカル線の復活は地元活性化の生命線であった。そのため、地元住民たちは応援団を立ち上げ、国やJR側との長い協議の末、ついに全線復旧に向けた工事開始が決まった。
その応援団の中心は、年間300日、只見線と奥会津の絶景を数十年撮り続けている郷土写真家・星賢孝だ。奥会津出身の彼は地元の魅力を世界に伝えるため、撮影した只見線や奥会津の写真をSNSを通じて世界に発信。日本を超えファンは海外にも増え、星の写真に感銘を受けた観光客も多く押し寄せた。さらに生まれ育った金山町三更(みふけ)集落の廃村で消滅した「渡し船」を50年ぶりに復活させ、霧の立ち込める幻想的な秘境スポットとして認知させた。
しかし2020年のコロナ禍で観光業は下火に。「自分が出来ることをやる」とシャッターを切る彼のカメラに地方再生のヒントは写し出されるのか。
JR只見線は、福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ全長約135kmの路線で、沿線周辺は国内有数の豪雪地帯。その魅力は、何といっても沿線を流れる只見川や雄大な山々が四季を通して織り成す絶景。いくつもの鉄橋とトンネルを抜けて奥会津へと進む車窓からの風景。その中を懸命に走る列車キハ40系。心を鷲づかみにされるほどの圧倒的な風景を撮影しようと国内外からたくさんのカメラマンが訪れ、「好きなJRローカル線ランキング」で1位に選ばれるほどの、全国屈指の秘境路線である。
2011年の集中豪雨で只見線の3つの鉄橋が流出し、会津川口駅~只見駅間が長く不通となっていたが11年後の2022年、4年前から開始していた復旧工事完了の見通しが立ち、いよいよ10月1日、地元住民が待ち望んだ全線の運転再開が予定されている。
福島県金山町在住。ふるさとの過疎・高齢化に伴う衰退を案じ、奥会津の絶景と只見線を撮りだす。SNSを活用し「只見線の走る奥会津の絶景」が世界中に発信され多くの観光客を呼び込んだ。幼少の頃、村の消滅と共に姿を消した”渡し船”を50年ぶりに復活させた「霧幻峡」は、只見線と共に幻想的な観光スポットとして一躍世界で有名になった。年間300日、只見線だけを撮り続ける写真家の星賢孝は「まだ見ぬ絶景」のために沿線流域の環境を整え続けその活動に終わりはない。
1926(大正15) | 「会津線」として、会津若松駅から会津坂下駅間(21.6㎞)が開業される。 |
1942(昭和17) | 「只見線」として新潟県小出駅から大白川駅間(26.6㎞)が開業される。 |
1957(昭和32) | 電源開発株式会社が田子倉ダム(只見町)建設の資材を輸送するための専用鉄道として、会津川口駅から只見駅間が開通。 |
1971(昭和46) | 只見から大白川駅間(20.8㎞)延伸開業。会津若松駅から只見駅間を会津線から分離し、『只見線』に統合。会津若松駅から小出駅間135.2㎞となる。 |
2011(平成23) | 3月11日 東日本大震災発生。7月27日~30日新潟・福島豪雨災害により只見線に被害。会津川口~会津大塩間で第5・6・7只見川橋梁が流失、また会津坂本~会津柳津間で路盤が流出し、会津坂下~小出間が不通となる。 |
8月7日 会津坂下~会津宮下間で運転再開。 | |
8月11日 大白川~小出間で運転再開。 | |
12月3日 会津宮下~会津川口間で運転再開。 | |
2012(平成24) | 只見~大白川間で運転再開。これにより、不通区間は会津川口駅~只見駅間となる(代行バス運転あり)。 |
2017(平成29) | 福島県とJR東日本は、会津川口~只見間を上下分離方式により鉄道で復旧することで合意。 |
2018(平成30) | JR東日本において鉄道復旧工事起工式が金山町で執り行われ、2021年度の工事完了を目指し復旧工事が開始。 |
2022(令和4) | 10月1日 全線運転再開予定。 |
『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』(2021年/日本/カラー/16:9/DCP/80分)
監督・撮影:安孫子亘
郷土写真家:星賢孝
プロデューサー:ナオミ
製作協力:映画只見線製作委員会
配給・宣伝:きろくびと
企画・製作:ミルフィルム