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銀鏡 SHIROMI

上映中~7月13日(木)

©2021 SHIROMI

日時

上映中~7月13日(木)

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

\イベント開催決定/

7月7日(金)17:20の回上映後 柴田元幸さん(翻訳家)ゲストトーク
7月8日(土)12:00の回上映後 濱砂隆文さん(銀鏡神楽祝子)ゲストトーク
7月9日(日)12:00の回上映後 林正樹さん(ピアニスト・作曲家)ミニライブ
7月11日(火)12:45の回上映後 鶴岡真弓さん(芸術文明史家・ケルト芸術研究家)リモートトーク
7月12日(水)12:45の回上映後 佐治晴夫さん(理論物理学者)リモートトーク

※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。


東京ドキュメンタリー映画祭2021
人類学・民族映像部門グランプリ「宮本馨太郎賞」受賞

縄文の気配が息づく山深い里に
大地の恵みとともに生き
星々に祈り舞う人々がいる

日本の古層に秘められた
星への祈りと星のように生きる
神楽の民を追ったドキュメンタリー

20年ほど前のこと、友人から「すこし変わった神楽を観に行こう」と誘われたのが銀鏡との出会いでした。当時はまだトンネルもなく、曲がりくねった道を山の奥深くまで走らなければならず、銀鏡の山村は辺境の地に感じたものです。毎年12月の中頃に奉納される銀鏡神楽は、北極星を祀る星神楽からはじまります。その神楽には、星々を生命の縁(よすが)とする古代アニミズムの祭祀が色濃く残されているように思えてなりませんでした。外神屋とよばれる舞殿の祭壇には、神への供物として猪の生首が捧げられ、縄文的な信仰の気配も感じました。

その後、時間をかけて銀鏡に通い、何度も神楽を体験するうちに、彼らの神楽がどれも星々とつながり、それによって宇宙の運行を刷新することで冬至の太陽神を再生する儀礼であることが見えてきました。星を信仰する儀礼は世界の様々な場所でも見ることができます。

たとえば、ハワイの神に捧げるフラの踊りの原点も星にあります。フラの世界観では、魂の依り来るところ、還るべきところはプレアデスだといいます。声を発し、共鳴させ、そのバイブレーション(振動)を踊りで天空の星へ届けるのがフラの役目であり、祈りの形だというのです。
星と繋がるために私たちの祖先が育んできた最も大切な感性が、銀鏡神楽という祈りの形、音と舞に残されているのではないでしょうか。

銀鏡神楽の祝子(ほうり)と呼ばれる人たちの佇まいは、「感謝」という祈りの在り方を私たちに教えてくれます。森羅万象の中に自分たちの居場所を整え、やがていつかはその場所を自然に明け渡すことを覚悟する。それは「諦観」ではなく、「受容」であり、「感謝」です。人にも土地にもいつも誠実であること、ただあるがままそこに生きること。それは、宇宙の中で生まれては消えていく数多の星の存在そのもののようす。そんな彼らと彼らの星の神楽にぜひ会いに来てほしいと願うのです。
赤阪友昭(監督)

【STORY】

映画に流れるふたつの時間

ひとつは、銀鏡の自然に流れる悠久の時間。春の訪れを告げる山の花々、山肌を流れる清らかな水、森に住まう動物たち。山の恵みを感じながら、宙を見上げれば、夜空には星々が降りそそぎ、銀河の時間すら感じることができるだろう。そして、もうひとつは神楽の里に生きる人々の一年。限界集落の村で、柚子や唐辛子を生産し加工までを担う会社をつくることで雇用を生み出し、村に住み続けて神楽を守ろうとする銀鏡の人々がいる。彼らは20年以上にわたり、山村留学を通じて人を育て、学校を残してきてもいる。決して未来を諦めず、今という時間をひたむきに生きる彼らの暮らし、そこには自然に軸をおいた人々の謙虚で真摯な営みの時間が流れている。
そんな銀鏡の里では、一年に一度、この二つの時間が邂逅するときが訪れる。それが星の神楽、「銀鏡神楽」だ。銀鏡神楽は、神々の舞を通して星への祈りを捧げる。あらゆる命の源は、星々の住まう宇宙にある。私たちの存在が、そもそも星のかけらからできているという本質を知っているかのように、銀鏡神楽は宇宙の摂理を内包している。そして、神楽の舞を捧げる銀鏡の人々は、それぞれが光り輝き、互いの関係性によって世界をつくろうと懸命に生きている。そんな彼らの生き方は、今の私たちではなく、未来の子供たちの世界がどうあってほしいのか、千年先の世界を想像して生きることの大切さを教えてくれる。

『銀鏡 SHIROMI』(2022年/日本/113分/カラー/16:9/DCP)
監督:赤阪友昭
音楽:林正樹
歌:松田美緒
配給:映画「銀鏡 SHIROMI」製作委員会