上映 MOVIES

SUB MENU

私、オルガ・へプナロヴァー I, Olga Hepnarova/Já, Olga Hepnarová

上映中~7月20日(木)

日時

上映中~7月20日(木)

料金

一般¥1,900/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

チェコ最後の女性死刑囚 22歳のオルガ、心震える実話。

“私、オルガ・ヘプナロヴァーはお前たちに死刑を宣告する・・・”
ある日、彼女は自分の中の悪魔を解き放った。

チェコ映画界の新鋭トマーシュ・ヴァインレプとペトル・カズダとの両監督は、オルガの人生と犯罪に関する事実に基づいたロマン・ツィーレク原作「Ja,OlgaHepnarová」(10)を元に脚本を手掛ける。本作は、オルガの人格や行動を擁護することも、伝記映画にありがちな感情的な演出もあえて排除し、ドキュメンタリー的リアリズムで長編デビュー作を飾った。16年ベルリン国際映画祭パノラマ部門のオープニング作品として選出された。高い評価とともにその悲劇的な物語に会場は静寂が支配したという。17年には、カルト映画のレジェント、ジョン・ウォーターズ監督が年間ベスト映画の一作品として本作をピックアップ、世界的注目を浴びた。

大量殺人犯オルガという、社会から孤立する少女から大人への変貌を体当たりで演じ切ったのは、『ゆれる人魚』(15)、『マチルダ 禁断の恋』(17)で注目されるポーランドの若手実力派女優ミハリナ・オルシャニスカ。その内面性と身体性を生かした演技が高く評価され、チェコ・アカデミー賞主演女優賞をはじめ多くの賞に輝いた。

オルガ・ヘプナロヴァーとは何者か…?誰にも打ち明けられず、誰にも理解されず、誰にも助けられない、怒りと絶望が水滴のようにグラスに留まって、やがて零れ落ちるとき運命の扉が開く。70年代の物語とはいえ、世界中の若者が人種や性別、性的指向を理由にした「居場所のなさ」「人と違うこと」「いじめ」といった問題に直面しているのは、今も昔も同じである。誰とも交わろうとしない、誰とも挨拶しない、オルガは幽霊のような存在だった。オルガは生者のあいだを歩く幽霊になったが、本物の幽霊になろうと決心し、多くの人々を道連れにして墓に入った。この哀しくも残酷な衝撃作は、加害者と被害者どちらにもなりうる私たちを残して、平手打ちのように終わる…。

【STORY】
“ 彼女の唯一の逃げ道は、自殺か復讐か —— ”
自分が受けた苦しみと、自分が置かれた絶望の代償。

1973年、22歳のオルガはチェコの首都であるプラハの中心地で、路面電車を待つ群衆の間へトラックで突っ込む。この事故で8人が死亡、12人が負傷する。オルガは逮捕後も全く反省の色も見せず、チェコスロバキア最後の女性死刑囚として絞首刑に処された。犯行前、オルガは新聞社に犯行声明文を送った。自分の行為は、多くの人々から受けた虐待に対する復讐であり、社会に罰を与えたと示す。自らを「性的障害者」と呼ぶオルガは、酒とタバコに溺れ、女たちと次々、肌を重ねる。しかし、苦悩と疎外感を抱えたままの精神状態は、ヤスリで削られていくかのように悪化の一途をたどる・・・。

『私、オルガ・へプナロヴァー』(2016年/チェコ・ポーランド・スロバキア・フランス/チェコ語/105分/B&W/5.1ch/1:1.85)
監督・脚本:トマーシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ
出演:ミハリナ・オルシャニスカ、マリカ・ソポスカー、クラーラ・メリーシコヴァー、マルチン・ペフラート、マルタ・マズレク
原作:ロマン・ツィーレク
配給:クレプスキュール フィルム