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DAIJOBU

上映中~11月2日(木)

©DAIJOBU 2023

日時

上映中~11月2日(木)

料金

一般¥2,000/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

詳細 DETAIL

舞台挨拶開催決定

10月20日(金)18時10分の回 上映開始前
登壇者:木村衛監督、小島基成宣伝プロデューサー
※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。


生きながら死ねるか

無一物で仏の道を歩む禅僧・村上光照老師。「座禅するとそこで人生が無くなって仏さまの時間に変わる」老師の座禅は生きながら死ぬ。
罪なき罪で獄中に二十二年、数奇な体験を骨に刻み生きる侠客・川口和秀親分。「人は生まれて来て死ぬだけだ」数多くの死別を体験したリアリストの親分が老師と巡り会った・・・
この映画は絶望の淵から這い上がり「大丈夫」になるために奮闘する一人の極道と、仏の命をただ一筋に生きる老師との、生死を巡る赤裸々な精神の記録である。

慈しみと大丈夫のエネルギーを共感するために

現実味を帯びる戦争の危機、命を脅かす流行病の恐怖、今ここで起こりうる天変地異への不安・・・現代社会は恐怖と不安に覆われています。そして、根底にはどうすることも出来ない「死」への恐怖が横たわっているのです。その背景には、私たち日本人が共有する精神風土の中で「死」を忌み嫌うこととしてのみ扱い、「生」のみに光を当て「生死」を分離し、「命」について深く見つめる機会を失いつつある現状があるのではないでしょうか・・・
かつての日本には「死」をすべての終わりとは考えない「死の文化」があり、その精神風土には死者と繋がり生きとし生けるものを慈しむ心が宿っていました。それは人々が営む日々の暮らしの中に、年中行事の中に、生活の基本となる言葉の中にひっそりと宿っていました。この映画のメイン・タイトルである「DAIJOBU~大丈夫」という言葉もそんな日本的霊性が宿った言葉であり、究極のポジティブワードです。
禅の修行は命がけで、その本願はすべての生きとし生けるものを慈しむことであり、悟りに達した者は「大丈夫」になると伝えられています。仏道で「大丈夫」は慈悲の人を表す言葉。一方、武士道で「大丈夫」という時は勇者を意味します。「大丈夫」という言葉は、武士の勇気と菩薩の慈しみを心に備えた「人」を顕す言霊を宿しているのです。お互いを思いやる心、恐怖に負けない心、そして人生を悲観せずに楽観的に生きる心・・・「人生どっちにどう転んでも大丈夫」
私たち日本人の DNA に深く根ざしている「大丈夫」の精神を呼び覚まし、共感することこそがこの映画に込めた願いです。

【STORY】

老師とヤクザの生死を巡る七年間の記録

人里離れた山奥で寺も家族も持たず、一人「己事究明」する老師。老師の日々は座禅の日々。生活のすべてが座禅なのだ。
野山と一体化して我を無くす姿、大木に深々と礼拝する姿・・・カメラは老師の日常を超越した「時間」に少しずつ入り込んで行く・・・
「禅は究極やと思う」無実の罪で二十二年間を獄中で生き抜いた親分は禅の精神世界に憧れていた。老師に師事するため一生懸命になる親分。禅の流儀で門前払いする老師。半年が過ぎた頃、ある音楽会で二人は対面を果たすが老師が親分を受け入れることはなかった。何よりも面子を重んじるヤクザが面子を捨ててまで求めたものは何か・・・「ワシは人間界にいない」出世間した老師を人情の世界に感応させたものは何か・・・
やがて二人はそれぞれにかけがえのない人との死別を体験し、運命の歯車は急回転していく。死をもって別たれるもの、別たれないもの・・・宇宙総出のエネルギーに駆り立てられて共鳴する二人の心模様。そして、七年の時を経てたどり着く深遠な結末・・・今ここに、「慈しみ」の物語が始まる。

『DAIJOBU』(2023年/98分/G/日本)
監督:木村衞
出演:村上光照、川口和秀
ナレーション:窪塚洋介
配給:レイドバック・コーポレーション