本作のメインキャラクター田中美津さんが8月7日に逝去されました
心よりご冥福をお祈り申し上げます(記:2024年8月8日)
この度追悼上映を行います。
当時、「女らしく生きるより、私を生きたい」という田中の思いに多くの女たちが共感し、ウーマン・リブ運動が日本各地に沸き起こった。「モテない女のひがみ」と嘲笑してくる男マスコミに、「女の生き難さの中にリブが息づいているだけだ!」と、1歩も引かなかった女たち。リブは、田中にとって1対多数の世界だった。今は、鍼灸師として患者と1対1で向き合う田中は、「私の中にその人の居場所があるし、その人の中にも私の居場所がある」、と。
自分にとって切実な事柄にこだわっていく中で、世界とつながっていきたいと田中は願った。それゆえ「女であること」の痛みは、ウーマン・リブの田中を生んだ。「虚弱であること」のせつなさが、一心の治療を36年間続けている鍼灸師・田中を誕生させ、自らツアーを率いて辺野古に足しげく通うのも、沖縄の苦しみに対し長年見て見ぬふりだった自分への、恥ずかしさを伴う決意ゆえだ。本作はそんな田中に密着した4年間余りの日々を通じて、その心の遍歴を追う。
『この星は、私の星じゃない』(2019年製作/90分/日本)
監督・撮影・編集・朗読:吉峯美和
プロデューサー:中野理惠、吉峯美和
配給:パンドラ