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1月24日(金)公開
1月24日(金)公開
トビリシ国際映画祭(ジョージア)オープニング作品
金のプロメテウス賞(映画への貢献に対して)受賞
小国ながら“映画の王国”と呼ばれるジョージア(旧グルジア)。西と東の交差点で、旧ソ連の構成国という複雑な歴史のなかで独自の文化を培ってきたジョージアの映画は、オタール・イオセリアーニら数々の名匠を輩出、世界的巨匠フェデリコ・フェリーニが「私を不覚にも泣かせる全てがある」と称賛したことでも知られている。 本作はそのジョージア映画を代表する女性監督、ナナ・ジョルジャゼの待望の新作にして、彼女のキャリアの集大成的な傑作だ。
最近では日本公開されたラナ・ゴゴベリゼ監督の『金の糸』(2019)の主演でお馴染みのナナ・ジョルジャゼは、本来は映画監督。デビュー作『ロビンソナーダ 私の英国人の祖父』(1986)がカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)賞授賞。米アカデミー賞国際長編賞ジョージア代表作にも数度選ばれ、またカンヌ・ベネチア・ベルリンの世界三大映画祭はじめ、100以上もの国際映画祭で審査員を務めている。
待望の新作となる『蝶の渡り』は、1991 年にようやくソ連から独立を果たし、希望に満ちた<どんちゃん騒ぎ>に明け暮れた若者たちの27年後を描く。古びたアパートの半地下で芸術家仲間と共同生活をする画家コスタとその恋人ニナたち。笑いあふれるドタバタ的展開を交えながらも、未来に行き詰まり、生き残るために「渡り」をするジョージア人を蝶の姿に託す味わい深い演出、そして次世代に手渡す希望の美しさが忘れがたい傑作。今もジョージア人の心に残るアブハジア戦争の痛みや、ディアスポラ(民族離散)の悲しみ。それをジョージア独特の“陽気な悲劇性”で描ききった、まさにナナ・ジョルジャゼ監督の集大成的な作品だ。劇中に数々登場するジョージア現代絵画も見逃せない。ウクライナ戦争以降、ふたたび高まるロシアの影響下で行われた2024年10月の議会選挙以来、混乱が続くジョージアだが、今こそ、ジョージア人が培ってきた映画の豊かさをご堪能ください。
かつてジョージア独立のため闘った若者たち—その27年後、彼らの姿ときたら!!
古びたアパートの半地下で、芸術家仲間と共同生活をする画家とその恋人を中心に
複雑な歴史のなかでも輝く人生の旅をユーモアと希望で描く。
『蝶の渡り』(2023年/ジョージア/89分/カラー/ジョージア語)
監督:ナナ・ジョルジャゼ
出演:ラティ・エラゼ、タマル・タバタゼ、ナティア・ニコライシヴィリ
配給:ムヴィオラ