上映後トークショー開催
3月16日(日)14:00の回 上映終了後
登壇者:山本顕一プロデューサー(立教大学名誉教授)
<チケット先行販売スケジュール>
・会員先行(オンライン):3月7日(金)18:00~
・一般販売(オンライン・劇場窓口):3月7日(金)18:00~

フランス人監督が追う肥田舜太郎医師96歳最後の闘い

肥田舜太郎医師のことを話す時、誰もが「肥田先生」と親しみと尊敬を込めて呼びます。
肥田先生は原爆投下の1945年8月6日以来、若い軍医としてずっと広島で被爆者の治療にあたりました。
そのうち、この日広島にいなくて爆撃を直接身に受けなかった人々が、後になって突然発病し、被爆者と同じ症状を示して死んで行くという例を数多く目撃しました。それが内部被曝によるものであることを突きとめた先生は、それまで知られなかった内部被曝というものの脅威を世界に向けて訴え続けてきました。


科学を名乗った最も権威のある集団が嘘をついている──
『核の傷』のフランス人監督マルク・プティジャンの作品。肥田舜太郎医師は、原爆投下の1945年8月6日以来、軍医として広島で医療活動を行い、戦争終結後は広島陸軍病院の移転先である山口の柳生病院に勤務しながら、広島の被災者に向き合いました。原爆投下の瞬間、広島市内にいなくても家族を探しに来たり、患者の世話をしたり、あるいは、復興業務等で広島に来た人々、入市被爆者が、発病し、死んで行くという例を数多く目撃しました。それが内部被曝によるものであることを突きとめた先生は、それまで知られなかった内部被曝というものの脅威を世界に向けて訴え続けてきました。
そして2011年3月11日東日本大震災が発災し、福島第一原子力発電所での事故が起こりました。肥田先生は原発事故の被災者が暮らす福島県いわき市へ赴きます。先生には戦後65年にわたり広島・長崎で原爆被害を受けながら生きのびた人々を診療し続けてきたという治療体験があります。内部被曝の危険性は、核所有国の政府当局者たちによって隠蔽されてきたのです。
先生は最後の力を振り絞り、愚かな選択をし歴史から何も学ぼうとしない体制に向けて警鐘を鳴らし続けています。そして、日本に原爆を投下した米軍や、日本に民間用原子力産業を導入したアメリカに対して、ハッキリとノーと言います。先生が願ってやまない、平和で核のない新しい日本の到来に向けて・・・。
本作は一人の被爆医師の執念とも言うべき言葉を追ったドキュメンタリーです。また、この作品のプロデューサーを担当したのが、映画『ラーゲリより愛を込めて』の主人公山本幡男さんの長男、映画では寺尾聰さん、奥智哉さんが演じた山本顕一さんです。山本さんは、当時立教大学のフランス文学の教授ですが、肥田医師と映画の意義に感銘を受け、プロデューサーとして映画の完成及び日本国内の上映に奔走しました。


肥田舜太郎医師の言葉
「いわゆる放射線被害というものは、どんな形であれ二度とあってはいけない。
どんな小さな規模と言って、専門家が安心だと言っても、全くの嘘ですから。
放射線というものは人間の手にはおえない。」
『ヒロシマ、そしてフクシマ』(2015年製作/80分/日本・フランス合作)
監督:マルク・プティジャン
出演:肥田舜太郎、野原千代、三田 茂、他
製作総指揮:山本顕一
日本語ナレーション:水津 聡