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『青春』3部作

7月18日(金)~24日(木)【1週間限定日替り上映】

© 2023 Gladys Glover - House on Fire - CS Production - ARTE France Cinéma -
Les Films Fauves - Volya Films – WANG bing

日時

7月18日(金)~24日(木)【1週間限定日替り上映】

詳細 DETAIL

出稼ぎの若者たちを通して
一つの世代の運命を浮かび上がらせる3部作。
ワン・ビンという巨大な作家とともに在る僥倖。

『鉄西区』『死霊魂』などで世界で最も称賛されるドキュメンタリー作家の一人であるワン・ビン(王兵)の最新作。
第1部は2023年カンヌ国際映画祭で初上映され、昨年日本公開。第2部『青春-苦-』は2024年8月のロカルノ国際映画祭、第3部『青春-帰-』は2024年9月のヴェネツィア国際映画祭で世界初上映。
『鉄西区』以来の3部作がついにそのベールを脱ぐ!


【上映作品】

『青春 -春-』(第1部)青春 春/YOUTH(SPRING)
(2023年/フランス・ルクセンブルク・オランダ/215分(3時間35分)/字幕:磯尚太郎)

2023年 カンヌ国際映画祭 コンペティション部門正式出品
2023年 金馬奨 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
2023年 ロサンジェルス映画批評家協会 エクスペリメンタル賞受賞

中国の経済発展を支えた長江デルタ地域、
そこに生きる若者たちの生に立ち会う。

猛烈なスピードでミシンをかける姿はアクション映画で、振り付けられたダンスのよう。恋愛をめぐる駆け引きはボーイ・ミーツ・ガール。あちこちで起こる言い争いは、暴力への沸点をはらむ。そして、5元をめぐる経営者とのささやかな攻防。彼らがここで生きていることを徹底的に肯定し、それぞれの人物を注意深く見つめ、共感を寄せること。ワン・ビンの視線は、やがて中国という巨大な国に生きる一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる。様々な題材に取り組んできたワン・ビンが、初めて若者にフォーカスした必見のドキュメンタリー体験。


『青春 -苦-』(第2部)青春 苦/YOUTH(HARD TIMES)
(2024年/フランス・ルクセンブルク・オランダ/226分(3時間46分)※途中休憩あり/字幕:磯尚太郎)

苦しいのだ、こんなに。

中国。子供服の街・織里。その縫製工場で繰り広げられる若者たちの物語は、さらにドラマティックになっていく。
ユンはミスばかりして仲間に呆れられ、もう働きたくない。ワンシャンは帳簿をなくしてしまい、社長に賃金は払えないと言われる。社長が取引先を殴っているのを見た。別の工場では、社長が全財産を持ち逃げした。苦々しい交渉の日々。若者たちは春節を祝うため、故郷へと帰る。
同じ中国人であってさえ、北京や上海などの都市に暮らす人は、全く知らない一つの世代の運命がここに浮かび上がる。


『青春 -帰-』(第3部)青春 帰/YOUTH(HOMECOMING)
(2024年/フランス・ルクセンブルク・オランダ/152分(2時間32分)/字幕:磯尚太郎)

帰りたい。でも離れたい。

春節の休暇が近づき、織里の縫製工場は閑散としている。わずかに残った労働者たちも帰省する。誰もが故郷で春節を祝うために。休暇中に結婚式を挙げるものがいる。でも、故郷には仕事がない。ミンイェンの故郷の雲南は寒い。家にいても息は白く、手がかじかむ。休暇が終わり、労働者たちはまた工場に戻る。働き場所がなくなったものもいる。少年少女のまだ幼い声が響く。新しく若い世代の出稼ぎが、また工場にやってきたのだ。同じ中国人であってさえ、北京や上海などの都市に暮らす人は、全く知らない一つの世代の運命がここに浮かび上がる。


監督:ワン・ビン(王兵)

1967年、中国陝西省西安生まれ。中古のデジタルカメラひとつで撮影をした『鉄西区』(1999-2003)が世界に衝撃を与える。
反右派闘争を生き抜いた女性の証言を記録した『鳳鳴―中国の記憶』(2007)、初の長編劇映画『無言歌』(2010)、本作と同じ織里で働く大人の出稼ぎ労働者を撮影した『苦い銭』(2016)などを発表。近年は集大成となる8時間越えの大作『死霊魂』(2018)が世界中で絶賛された。
カンヌを始めとする世界三大映画祭や山形ドキュメンタリー映画祭などで数多くの賞に輝く。

配給:ムヴィオラ