アントン・チェーホフ没後120年
マルチェロ・マストロヤンニ生誕100年
第40回カンヌ国際映画祭 男優賞受賞
第60回アカデミー賞 主演男優賞ノミネート
第33回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 主演男優賞/主演女優賞受賞
第73回ヴェネチア国際映画祭 ヴェネチア・クラシック部門出品作品

マストロヤンニ×チェーホフ×ミハルコフ
奇跡のコラボレーションによって生み出された傑作
1987年、第40回カンヌ国際映画祭に出品され、男優賞を受賞。翌年の米アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた、イタリア映画史のレジェンド マルチェロ・マストロヤンニ後期の代表作が、日本初公開から37年の歳月を経てスクリーンに甦ります。
ロシアの文豪アントン・チェーホフの「犬を連れた奥さん」を含む4つの短編を下敷きに、名匠ニキータ・ミハルコフ(『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』)が監督。脚本はミハルコフ、アレクサンドル・アダバシャン、そしてヴィスコンティ作品には欠かせなかった名脚本家スーゾ・チェッキ・ダミーコ(『山猫』『家族の肖像』)が共同で執筆。全編に奏でられる流麗な音楽はフランシス・レイ(『男と女』)が手掛けています。

身勝手なイタリア男の、可笑しくも悲しい愛の物語
名手たちの奇跡のコラボレーションによって生み出された本作は、カンヌ国際映画祭男優賞のほか、イタリアのアカデミー賞であるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では13部門にノミネート、主演男優賞と主演女優賞のW受賞を果たしました。日本でもロングランヒットを記録し、キネマ旬報ベストテンの第6位に選出。そこはかとない可笑しみと、円熟期を迎えた男の悲哀が滲み出るマストロヤンニの名演に、世界中の大人の観客が魅了されました。
今回の再公開版は、第73回ヴェネチア映画祭ヴェネチア・クラシック部門で上映された、4K修復が施され、約25分のシーンが追加された本邦初公開となるロング・バージョン。より輝きを増した珠玉の名作を、どうぞご堪能ください。

【STORY】
幸せの涙と、悲しみをたたえた微笑みに彩られた
ほろ苦くも甘い、文芸ラブ・ストーリー
アテネを経てイタリアに向かう客船。ひと気のない食堂の、窓際のテーブルに座る初老の男は、食堂に入ってきたロシア人の紳士に、自らの人生を語り始める…。
男の名はロマーノ。イタリアの田舎町で生まれた彼は、大銀行家の一人娘エリザと結婚し富を得たが、夫婦の仲は冷え切っていた。銀行が倒産の危機に瀕する中、ロマーノは一人家を出て湯治場に身を寄せ、そこで美しいロシア人の女性アンナと出会い、激しい恋に落ちる。一通の手紙を残し消えたアンナを追い、ロマーノはロシアに向かうが…。



『黒い瞳 4K修復ロングバージョン』(1987年/イタリア/イタリア語、ロシア語/143分/カラー/1.33:1/モノラル)
監督:ニキータ・ミハルコフ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、シルヴァーナ・マンガーノ、マルト・ケラー、エレナ・サフォーノヴァ
原作:アントン・チェーホフ
配給:ザジフィルムズ