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ジュリーは沈黙したままで Julie zwijgt/Julie Keeps Quiet

10月3日(金)公開

(C)2024, DE WERELDVREDE

日時

10月3日(金)公開

料金

一般¥2,000/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳以下)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000

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詳細 DETAIL

第77回カンヌ国際映画祭 批評家週間 SACD 賞受賞
第97回米アカデミー賞 国際長編映画賞ベルギー代表

ダルデンヌ兄弟&大坂なおみも認めたベルギーの才能
まったく新しい視点で15歳のテニスプレーヤーの心に迫った、静かなる傑作

『Girl/ガール』(18)、『CLOSE/クロース』(22)のルーカス・ドンに続くベルギーの新鋭、レオナルド・ヴァン・デイルの長編デビューとなる本作は、2024年カンヌ批評家週間でプレミア上映されてSACD賞を受賞。さらに2025年アカデミー賞国際長編映画賞のベルギー代表にも選出され、今もなお世界的に脚光を浴び続けている。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されて注目を集めた短編『STEPHANIE』(20)では、ケガを隠して競技を続ける12歳の体操選手を描き、その延長線上にある本作においても、ヴァン・デイル監督はスポーツ界で子どもが「小さな大人」として扱われる現実に強い問題意識を投げかける。

そんな本作の共同プロデューサーとして名を連ねるのは、社会問題に光を当て続けてきたベルギーの巨匠ダルデンヌ兄弟。また、この物語に共感を示したテニス界のスター・大坂なおみが、エグゼクティブ・プロデューサーとして公式に後押しする。ヴァン・デイル監督もまた、大坂がメンタルヘルスの重要性を訴えたことに大きく感銘を受け、「彼女が声を上げてくれたことで、世界中の少女たちに“NOと言う選択肢”が開かれた。本当に価値あることです」と語っている。

15歳の天才ジュニア選手・ジュリーを演じたのは、実生活でも若きテニス選手であるテッサ・ヴァン・デン・ブルック。そのリアルな競技描写が、沈黙は弱さによるものではなく、強い意志の象徴であると悟らせる。選手とコーチの関係性という曖昧で危うい領域に迫りながら、試合に向けたサーブの練習、けがのリハビリ、ジムでのトレーニングといった断片的なシーンの連続が、少女がスポーツを「逃げ場」として利用していることを浮き彫りにしていく。また、登場するティーンエイジャーたちは全員ノンプロの俳優であり、実際の所属クラブの仲間たちを他の子役に起用することで、監督は幼い主演俳優が安心できる空間づくりを徹底した。
本作の35mmと65mmフィルムによる美しい撮影は、『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(23)、『クルエラ』(21)などで知られるニコラス・カラカトサニス。固定カメラによる静謐なフレーミングで、しばしば自然光のコントラストの中に人物を沈ませ、まさにダルデンヌ兄弟を思わせる自然主義的な手法で一人の少女の感情を浮かび上がらせていく。そして、緊張感のあるボーカルスコアは、アメリカの現代クラシック作曲家キャロライン・ショウ。ヴァン・デイルとべカールによる脚本は、思春期の揺れ動く心理に寄り添いながら、観る者にジュリーの沈黙の行方をそっと委ねている。

【STORY】

ある日、信頼していたコーチが指導停止に。
その影には、将来有望なテニスプレーヤーの自殺。
15歳の少女・ジュリーは、なぜ沈黙しつづけるのか?

ベルギーのテニス・アカデミーに所属する15歳のジュリー(テッサ・ヴァン・デン・ブルック)は、その実力によって奨学金を獲得し、いくつもの試合に勝利してきた、将来を有望視されているプレーヤーだ。しかし、ある日とつぜん担当コーチのジェレミー(ローラン・カロン)が指導停止になったことを知らされると、彼の教え子であるアリーヌが不可解な状況下で自ら命を絶った事件を巡って不穏な噂が立ちはじめる。ベルギー・テニス協会の選抜入りテストを間近に控えるなか、クラブに所属する全選手を対象にジェレミーについてのヒアリングが行われ、彼と最も近しい関係だったジュリーには大きな負担がのしかかる。テニスに支障を来さないよう日々のルーティンを崩さず、熱心にトレーニングに打ち込み続けるジュリーだったが、なぜかジェレミーに関する調査には沈黙を続け……。

『ジュリーは沈黙したままで』(2024年/ベルギー・スウェーデン合作/オランダ語・フランス語・ドイツ語/100分/カラー/5.1ch/1.85:1/G)
監督:レオナルド・ヴァン・デイル
出演:テッサ・ヴァン・デン・ブルック、クレール・ボドソン、ピエール・ジェルヴェー、ローラン・カロン
配給:オデッサ・エンタテインメント