『ヘレディタリー/継承』で“21世紀最高のホラー映画”の称号を獲得し、続く『ミッドサマー』で全世界の観客を魅了した天才アリ・アスター。その独自すぎる語り口をさらに進化させた『ボーはおそれている』では名優ホアキン・フェニックスとタッグを組んで前2作の世界観をさらに深め、並び立つ者のない境地に到達した。
そんなアリ・アスターが、信頼を寄せるキャストと新たなスタッフを招いて描く“新章”が『エディントンへようこそ』だ。

物語の舞台は、パンデミックによって町がロックダウン状態にあるニューメキシコの小さな町、エディントン。保安官のジョーは、IT 企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッドと“マスクをする/しない”で対立し、ついには自ら次の市長選に立候補することを宣言する。
自身の正義を大声で主張するジョーとテッドの対立は激化し、その炎は町の各所に引火。住民たちはSNSを通じて肥大化しながら拡散していくフェイクニュースと憎悪と噂話に煽られて炎上を繰り返す。一方、ジョーの妻はネット動画の陰謀論にハマって夫婦関係は危険水域に突入。自分だけは正しい、自分以外は間違っている。
批判と対立と憶測と揚げ足取りの応酬はやがて、取り返しのつかない暴力と崩壊の連鎖につながっていく。
保安官ジョーを演じるのは、『ボーはおそれている』に続いて主演を務める名優ホアキン・フェニックス。『ジョーカー』『ナポレオン』と超大作の続くフェニックスは、数々の出演オファーが殺到する中、2作連続でアリ・アスター作品に出演。一見、穏やかに見える保安官が静かに壊れていき、やがて暴発していく様を見事に演じている。
そして、『マンダロリアン』『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』など超大作への出演が続く今、ハリウッドで最も注目を集める男ペドロ・パスカルが市長テッド役で登場。超至近距離でフェニックスと繰り広げる怒鳴り合い、睨み合い、殴り合いシーンは豪快にして緊張感マックス。今年の映画界最大の“対決”だ。
さらにジョーの妻で、陰謀論にハマっていく妻を『ラ・ラ・ランド』『哀れなるものたち』のエマ・ストーン、彼女が傾倒していくカルト集団の教祖を『エルヴィス』『デューン 砂の惑星PART2』のオースティン・バトラーが熱演。両者ともアリ・アスター作品初出演で、これまでにない強烈なキャラクターを演じる。
また、アスター監督は自身の新たな扉を開くため、映画界屈指の名スタッフを招集。『セブン』をはじめとするデヴィッド・フィンチャー作品や『マジック・イン・ムーンライト』『ミッキー17』などで知られる名手ダリウス・コンジが撮影監督を、『ネオン・デーモン』『WAVES/ウェイブス』のエリオット・ホステッターがプロダクション・デザイナーを担当。前3作とは異なる新たなビジュアルイメージを刻みつける。

荒野の広がる土地にポツンと取り残されたように存在する町エディントン。そこで起こった小さな対立と争いの波は、やがて巨大な波となって住民を直撃し、ネットを通じてアメリカ中に、そして世界中に広がっていく。次から次に起こる予想外の展開、あまりにも衝撃的な場面と虚しさすら感じる分断の風景。話しても通じない、話してもいないことが事実になっていく世界で、火のない場所に煙が立ち込め、人々の怒りと不安と疑心暗鬼が炎となって町を包む。そして、物語は誰もが予想しなかった、観る者すべてを唖然とさせる圧巻のクライマックスになだれ込んでいく。
ここに描かれるのは悪い冗談か? 過激な警告か? それとも包み隠さず描かれた現代の闇の縮図か? 新作を発表するたびに世界をザワつかせる“不敵すぎる映画作家”アリ・アスターが新章の開幕を告げる炎上スリラーがついに開幕。その炎はスクリーンを超えてあなたを丸ごと焼き尽くす。

物語の舞台は2020年、ニューメキシコ州の小さな町、エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)は、IT企業誘致で町を“救おう”とする野心家の市長テッド(ペドロ・パスカル)と“マスクをするしない”の小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(オースティン・バトラー)の扇動動画に心を奪われ、陰謀論にハマっていく。
エディントンの選挙戦は、疑いと論争と憤怒が渦を巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くす。
この先はあるのか? エディントンの町と住人は誰も予想できない破滅の淵へと突き進んでいく。
暴力、陰謀論、SNSの暴走がすべてを焼き尽くす“炎上スリラー”エディントンへようこそ。


『エディントンへようこそ』(2025年/148分/PG12/アメリカ)
監督・脚本:アリ・アスター
出演: ホアキン・フェニックス、ペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラー、ルーク・グライムス、
ディードル・オコンネル、マイケル・ウォード、アメリ・ホーファーレ、クリフトン・コリンズ・Jr.、ウィリアム・ベルー
配給:ハピネットファントム・スタジオ