『焼け石と雨粒』が完成したのは2022年。その後2026年まで、劇場で上映されたのは2025年の夏、一度だけだ。
そのたった一度の上映を見た映画監督・平野勝之が「このまま埋もれさせるにはあまりにも惜しい」と人から人へバトンが繋がり公開が決まった、“遅れてきた”青春映画である。
監督は、日本映画大学出身の櫛田有耶(くしだゆうや)。奇妙な関係性の中でもがく純粋で傲慢な若者たちに自らの失恋経験を投影した、75分の衝撃作だ。
主演は『SUPER HAPPY FOREVER』(監督:五十嵐耕平、2024年)で映画ファンの心をわしづかみにした佐野弘樹。
狂気をはらんだ不器用な“クズ男”を演じ、比嘉碧演じる元同級生との、“不穏な関係”を紡ぎ出す。。


フリーターの氏田晶(佐野弘樹)。再婚した母親のあかり(美智)とは友達のような親子。近所のスーパーの店員に好意を寄せるが、どうしたらいいかわからずストーキングしてしまう。高校の同級生で美大生の沙月(比嘉碧)に連絡を取り、相談をするが、次第に沙月に惹かれる晶。自分たちの過去や現実に向き合おうとし、徐々に距離を縮めていくが、やがて二人の間に決定的な出来事が起こる。




『焼け石と雨粒』
監督:櫛田有耶
出演:佐野弘樹、比嘉碧、美智、福田雄一、小池首領、逢坂由委子、松本さえ子、豊満亮
音楽:コーノ(ガウディーズ)
撮影・照明:木村洸太