上映 MOVIES

SUB MENU

ユースフル・ゴースト A Useful Ghost

上映中~終映日未定

© 2025 185 FILMS, HAUT LES MAINS, MOMO FILM CO.

日時

上映中~終映日未定

料金

一般¥2,000/シニア(60歳以上)¥1,300/ユース(19歳~22歳)¥1,100/アンダー18(16歳~18歳)¥1,000/ジュニア(15歳)¥800/障がい者割引¥1,000/UPLINK会員¥1,100(土日祝¥1,300)/UPLINKユース会員(22歳以下)いつでも¥1,000【R15+】

スケジュールとチケット SCHEDULE & TICKETS

07.12

07.15

詳細 DETAIL

監督来日&舞台挨拶開催!

7月12日(日) 13:30の回上映終了後
登壇者:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督

※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。

【登壇者プロフィール】
ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督

タイ・バンコク出身。潮州・海南系の出⾃を持つ。チュラーロンコーン⼤学映画学科卒業後、現在はスタジオでフルタイムの脚本家として働き、商業映画やテレビシリーズの脚本を⼿掛けている。脚本執筆の他に、⼤学で映画理論や脚本術を教え、映画批評家としても活動している。第30回 釜⼭国際映画祭アジアン短編コンペティションおよび第15回グラスゴー短編映画祭で審査員も務めた。2020年、ベルリナーレ・タレントプログラムに選ばれ参加。短編映画『⾚いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』は2020年ロカルノ国際映画祭に選出され、明⽇の豹たち部⾨(国際コンペティション)でジュニア審査員賞を受賞。近年はタイの植⺠地史とポストコロニアルの状況をテーマに、さまざまな⻑さの映画シリーズを作るプロジェクトに取り組んでいる。


第98回 アカデミー賞(R)国際長編映画賞 タイ代表作品
第78回 カンヌ国際映画祭 <批評家週間> グランプリ受賞

ある日、死んだ妻は“掃除機”の姿で帰ってきた。
ダビカ・ホーン主演×新鋭ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク長編デビュー作

2002年、『ブリスフリー・ユアーズ』でカンヌに登場したアピチャッポン・ウィーラセタクンは〈ある視点〉部門で最優秀作品賞を受賞したが、その大胆な内容ゆえに本国では検閲にも直面した。その後もタイ映画界は多くの困難に直面し続けたが、数々の映画作家たちの存在によって進化を続けてきた。そして2025年、カンヌ国際映画祭<批評家週間>にてワールドプレミアを迎えた本作『ユースフル・ゴースト』は、1987年生まれの新鋭ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督の長編デビュー作にして、各国メディアから「ジャンルでは括れない」「驚くほど独創的」と異例の注目を集め、同部門においてタイ映画としては初選出ながら見事グランプリを受賞。米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリスト入りも果たし、タイ映画の世界的評価をさらなる高みに押し上げた傑作がついに2026年7月10日(金)より日本公開を迎える。

タイでは誰もが知る怪談「メー・ナーク・プラカノーン」(死後も現世にとどまり、夫と禁断の愛を深めていった女性“メー・ナーク”にまつわる物語)に着想を得たという本作は、亡き妻が掃除機に宿って夫の元へ戻ってくるという奇想天外な設定を起点にしながら、記憶と忘却、個人と社会、愛と有用性といったテーマへと静かに深度を増していく。幽霊が日常に存在する世界で、人間社会の価値基準や倫理がいかに恣意的なものであるかを浮かび上がらせると同時に、「記憶すること」がひとつの抵抗ともなり得ることを示唆する。コメディ、ロマンス、ホラー、SF・・・・・・様々なジャンルを軽やかに横断しながら、環境問題や労働、政治的抑圧といった現代社会の歪みに鋭く切り込むその手腕は、アジアのみならず欧米の映画祭・批評家からも強い支持を獲得した。ジュリア・デュクルノー『TITANE/チタン』の衝撃、ウェス・アンダーソンの鮮やかで緻密な映像美、アピチャッポンの持つマジックリアリズムを引き合いに語られ、「まるでヨルゴス・ランティモスがタイに移住したかのようだ」(Screen Daily)とも評された唯一無二の味わいをその目で確かめてみてほしい。すべてが結びつくラストには、驚きとともに深い感動が待ち受けている。

カンヌ批評家週間グランプリを受賞した際、「(この作品と賞を)役に立つ幽霊もそうでない幽霊も含めて、タイにいるすべての幽霊に捧げたい」とラッチャプーム監督はスピーチした。この10年以上、タイでは主に国内の大規模産業の影響による粉じん公害への意識が高まっている。「粉じん公害が起きるのは当然だ。ホコリでいっぱいの国なんだから」そんなふうに当初は冗談めかして語られていたというが、タイ語の“ホコリ”(埃)いう言葉には、空中に漂う小さな粒子という意味の他に、現代のスラングでは人間以下の扱いをされる者という意味もある。「声を上げられず、自分の人生を自分で決められない、支配者階級の意のままに動かされ簡単に消されてしまう人々のことです」とラッチャプーム監督は語る。「霊もホコリも厄介者で、本来いるべきではない場所と時間に現れるという点でよく似ています。家の中、テレビ画面、机の上・・・・・・ホコリは境界線など関係なく勝手に現れますが、死んだ人間が生きている人間の世界に戻ってきたのが霊です。本来いなくなっているはずなのに時間に逆らってこの世にとどまり抵抗しているのです。こうした意味で(ホコリを取り除くための)掃除機に取り憑いた幽霊というのはアイロニックな存在だと考えています」。

【STORY】

粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻・ナット(ダビカ・ホーン)を呼吸器疾患で亡くしたマーチ(ウィサルット・ヒンマラット)は悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、ナットの魂は掃除機に宿るかたちで舞い戻り、ふたたび愛を確かめ合う二人。その頃、マーチの家族が経営する工場では、死亡した従業員の霊が機械に取り憑き、操業停止に追い込まれていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、工場の除霊に協力することで、夫への真実の愛そして自らの存在を“役に立つ幽霊”だと証明しようとするが・・・・・・。

『ユースフル・ゴースト』(2025年/タイ、フランス、シンガポール、ドイツ/タイ語、英語、イサーン語/130分/R15+)
監督・脚本:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク
出演:ダビカ・ホーン、ウィサルット・ヒンマラット、アパシリ・ニティポン、ワンロップ・ルンカムチャット、ウィサルット・ホームフアン 
字幕翻訳:橋本裕充
タイ語監修:福冨渉
配給・宣伝:SUNDAE(Powered by Filmarks)